恋愛Game



「…『好き』ねぇ…」
「うん、好き」
「…私と蓮ちゃんは『婚約者』なの」
「うん、だから?」
「だからって…。あのね私と蓮ちゃんは『婚約者』なのよ!?」
「………」
「蓮ちゃんは私との未来が約束されているの!」
「…ん」
「私は蓮ちゃんが好きなの!!大好きなの!!」

アタシは、ただ舞子ちゃんの潤んでいる瞳を見つめていた。

「本気なんだよ…。私と蓮ちゃんの未来を邪魔しないで!」
「蓮人は…」

アタシは舞子ちゃんに一言、問いかけた。

「アンタの事、どう思ってんの?」
「え…そりゃ、私の事が『好き』に決まってるじゃない」

自慢気な顔でアタシに言った。

「なら…幸せになれば良いじゃん。蓮人が本気でアンタを好きなら…結婚しようと思うならアタシは勝ち目はない。蓮人は、一途な人だから…」

アタシの瞳に嘘は無い。だってホントの事だから。アイツは簡単に気持ちを変えない。舞子ちゃんのことが好きなら勝ち目は無いから。でもアタシは蓮人を信じてる。アタシを好きだと言ってくれる蓮人を信じてる。

ただ、それだけ…。



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