愛の手

「お嬢は知らないだろうけど、若は女を道具としてしか見ないんだ。母親がそうだったからだろうけど」

「……あたしも、女だよ」


母親が――…女がキライなら、かかわらなきゃいいのに。


あたしが浅葱組にかかわりたくないって思ってるように。




康平さんは髪を邪魔そうにかき上げた。

なんともいえない表情で、息を吐いた。







「お嬢は特別だよ」

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