愛の手
ごめんね、礼央。
せっかく心配してくれてるのに、あたしは相談することも許されないの。
借金八千万円――…
ヤクザに殴られて、生死をさまよった。
その殴ったヤクザに身を売った。
いったところで、これ以上心配かけさせて、どうするの?
ただでさえいつもあたしにかかわろうとする礼央。
大事な幼なじみだからこそ、あたしは礼央に壁をつくった。
これ以上かかわらないで。
あたしの世界は……
もう変わってしまったの。
あたしがいまいる世界は……
――…鳥かごの中。