愛の手
「わかったよ」
諦めたように、礼央が息をついた。
ポンッとあたしの頭に手を乗せると、また人懐こい顔で笑った。
小首をかしげたせいか、チャリンッとピアスが音をたてた。
「そのかわり、イジメのほうは許せねぇな」
「べつに直接イジメられてるわけじゃないし、大丈夫だよ」
ってかあんたも原因なんだよ。
礼央が人気だから、女が妬むんだよ。
「すぐわかるように陰口してんのがムカつくんだよ」
「そのうち飽きてくるよ」
あたしは面倒だから、礼央のせいにはしなかった。