愛の手
白いゼロクラウンに乗りながら、あたしは外にある景色に心を躍らせた。
外には大きな滝。
わざわざ高速に乗って、日帰りでいける範囲の滝をさがしてくれたみたい。
「どうですか、愛理さん」
「とっっっ……てもキレイ!!」
興奮気味のあたしは、窓にへばりついた。
エンジンを切る音がして、運転席の仁さんを見た。
車からおりる支度をしてるみたい。
隣に座る祐輔さんも、外していたサングラスをかけた。
「マイナスイオン吸いにいきますか」
「あはは、癒されなきゃだ」
滝の近くまで、仁さんが誘導してくれた。
てきぱきとなんでもこなす仁さんは、何度もあたしをふり返った。
ちゃんとついてきてるかな?って心配みたい。
足場は悪いはずなのに、ちゃんと最善の道を選んでくれてる。
そういう小さな気遣いに気づいちゃったり。
あたしはひそかにほくそ笑んだ。