世界と僕は戦っている きっと世界が勝つだろう
 モラトリアムの真っ只中にいる俺達はちょうど『世界』の一歩手前だ。


 漫然と言いなりだけど保護された毎日。

 義務なんて負わなくていいぬるま湯の青春、それが今の俺達の居場所だ。


 だけどもう後には戻れない、進むしかない。

 この先が今まで以上に大変で残酷な世界と分かっていても生きている以上は避けて通れない一本道だから。


「嫌だけどさ、生きていくしかねーじゃん」


 ポツリと呟いた言葉が秋風にかき消される。

 あの夏、ふいに消え去った彼女みたく。

 
 彼女の行った先はどんなだろう?

 世界側ではない、全てが止まった楽園は楽しく幸せな場所なのだろうか?
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