スピカ


ねぇ。


もし、優太が生きてたらきっとこういうでしょ。


「本当に優羽は兄貴がすきだな。」


って



馬鹿みたいに好きだなって



でもね、それは優太がいてくれたからなんだ。





「優羽ちゃん!亮介!きちゃだめだ。」


マネージャー達がいっせいに私と亮介君を止めた。

展望台はすぐ目の前なのに


ブルーシートがおおっぴらに開けられていて
トランシーバーを持った警察官が何十人もいて
パトカーと救急車は赤いライトをちかちかと光らせて



最悪だ。


間に合わなかったんだ


守りきれなかったんだ




私は。。。



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