スピカ

追憶②母と兄



「だったらあんたが働きなさいよ!」


そんな声とともに兄の怒鳴り声が聞こえた


「わかったよ、でてってやる。その代わり優羽にはなにもするな!!!!!」



兄が階段を下りてきて、私の前に座った。


そっと私のほほに手を添えて


「もう大丈夫だから。なにも我慢しなくていいから。」


涙を流しながら私を抱きしめた。




「愛してる。ずっと愛してる。」





そういい残して翔歌は家を出た。



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