スピカ


翔歌が私に教えてくれたことはたくさんあった。


その中で一番素敵だったことは


あの夜に教えてくれたこと。




夜空にきらきらほしが輝いていて

屋根の上に翔歌と私と優太で川の字になってねころんで。

きらきら星を歌った。



「ねぇ、ゆうちゃん。あの星の名前はね」


「あの星?」

「春に見えるいっとうせいでね」

その星を指差して翔歌は教えてくれた

「スピカって言うんだよ。」

優太と私はそれが翔歌からのプレゼントなんだって思った。


「いつか、ぼくがおっきくなったら歌をつくるよ。」


「歌?」


「うん。僕のたいせつなたいせつな二人に送るんだ









   大好きだよって気持ちの歌―――――。」





  
< 41 / 51 >

この作品をシェア

pagetop