スピカ

溺愛と愛情




母は私を溺愛してる。
何でも思い通りにしてくれるから。



「優羽は良い子ね。」



よく頭を撫でて貰った。
それを冷たい目で見てくる優太の姿を私は知っていた。
だから・・・。



「優太お兄ちゃん。こっちおいで!」


そう言って母にして貰ったのと同じように優太の頭を撫でた。
「良くできました。」って言って褒めた。

だけど、年が経つにつれて立場は逆になってた。
友達と喧嘩した時、彼氏に振られた時、
いつも優太が私の頭を撫でてくれた。



"愛してくれてありがとう"


そう優太はよく私に言った。
最後に聞いたのは家を出て行く夜。
おでこにキスをして、私を抱きしめて、耳元で囁く様に言った。



"愛してくれてありがとう"



涙が溢れた。













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