エースナンバー
私には夢がある…
――甲子園
たくさんの歓声…
広いグラウンド…
アルプスからも外野からも注がれる視線…
見ているだけでは味わえない満足感…
あのマウンドで投げれたらどんな気持ちなんだろう…
ずっと、そんなことを思って見ていた。
「なつちゃんはどうして男の子のすぽーつするの?」
以前、尋ねられたことがある。
まだほんの…小さい頃…
「男の子のすぽーつ…?」
「お母さんがいってたよ?やきゅうは男の子がするものだって」
「そんなことないよ。
やってみるとたのしいし…
みっちゃんもやってみたら?」
「やらない。
なつちゃんみたいにどろだらけになるの、いやだもん」
そう言ってみっちゃんは何度も首を横に振った。
その時からだ…
自分が…変なのかと疑問を抱くようになったのは…