エースナンバー
久しぶりのマウンド…
土の匂い。
足場をならすと、砂ぼこりがたった。
――久しぶり…相棒。
ロージンバックを握りしめる。
やっと、帰って来れたんだ…。
身体中が疼いて仕方ない…
早く球を投げたいと、腕が貪欲に唸っている。指が、呼んでいる。
「麻生」
――…?
椎葉が嫌そうに眉をしかめて俺にボールを投げ寄せる。
優しくない刺さるような投球は、俺の右手の中に収まった。
グローブがなかったから手がジンジンと痛む。
「まずは、軽めから行くぞ」
冷たく横目で俺に言い放つと、椎葉は軽くミットを叩いて座る。
あの野郎…
胸の中はイラつきを覚えても、つっかかるような真似はしない。
だって、今日の俺は
最高に気分が良いんだ。
