戦国桜話
『八神さん!!!』
私が駆け寄るのより早く、空から下りてきた鶇夢さんが走って八神さんに駆け寄った
『すみません、鶇夢……』
『無理して…、体が動かなくなっても知らないから』
そう言いながらも八神さんに肩を貸す鶇夢さんは…もしかしたら八神さんを大切に想ってるのかもしれないと私は心の中で思った
『八神、悪い…すぐ仕留められなくて』
『いえ…私ももう少し術を続けられたらよかったんですが……』
八神さんは苦笑いを浮かべながら言う
でも私は八神さんは凄く頑張ったと思う
こんなに汗まで流して……
『それより…やはりこの妖怪も雅が送り込んだのでしょうか……』
八神さんは毒蜘蛛をチラッと見てから言った
私達は雅達の妖気を追ってここまで来た
もちろん雅は妖気を消してるから鏡ちゃんの妖気を追ったんだけど
追っている途中にこの毒蜘蛛に襲われて今に至る……
『これまであいつらを追ってきてたくさんの妖怪に襲われたが……どの妖怪も雅が送り込んだものじゃない』
私は予想外の答えにびっくりして目を丸くした