ようこそ! 魔破街へ
まっまあこの街では、一般的な考え方は通用しないみたいだ。

「じゃあ今まで、犠牲者とかは出ていないんだ?」

尋ねると、タカオミは首を傾げ、両手を組んだ。

「うん? …ああ、そう言われてみれば、確かに犠牲者は出ていないな」

「被害は出ているけど」

あっ、コクヤの言う通り、確かに爆破は被害が出るな。

「でもまあコクヤの火の取り扱い方はスゴイと言われているし、せいぜい一ヶ月間、姿が見えなくなるぐらいじゃない?」

タカオミは笑顔で軽く言うが…絶対に、その一ヶ月間、エンラは無事ではいないだろう。

「なっ何か悪いことした気分…。エンラはただ、オレを喜ばせたかっただけなのに」

「そうとは限らないよ? 彼はハデ好きだからねぇ。サマナをダシにして、花火を上げたかっただけかも」

「だとしても、この街に来て、歓迎されたのは始めてだし。オレは嬉しかった」

「アレ? 歓迎したじゃん?」

「挨拶と行動は違うっ!」
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