ようこそ! 魔破街へ
社交辞令で歓迎を示すことなんて、誰でもやる。

けれどエンラみたいに、行動を起こしてくれると嬉しいんだ。

「じゃあ今度歓迎会でもやろうか?」

「…いや、止めとく」

けれど改めて言われると、何か照れる。

「カミヤに料理を作らせるよ。クッキー、美味しかっただろう?」

カミヤのクッキー…は確かに美味しかった。

…けれど同時にカミヤが毒使いだと聞いて、血の気も引いた。

「ああ、うん…」

「カミヤは料理も上手いし、腕を奮ってくれるだろう?」

タカオミに視線を送られ、カミヤは無表情ながらも頷いた。

「タカオミがそう望むのなら」

それって『歓迎会』じゃないっ!

オレは頭を抱えた。

やっぱりこの街の住人は、どこかおかしい。

けれどいちいちツッこんでいたら、オレの体力が持たないかもしれない…。

オレがうんうん唸っていると、ムメイとキバラ、そしてサラとエンラがこっちへやって来た。

「とりあえず、ロビーで説教な」
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