ようこそ! 魔破街へ
「父はオレに何も言わなかった。それはつまり、ムメイさん。貴方に聞けということでしょう?」

真っ直ぐにムメイの眼を見ながら言った。

するとムメイは深く息を吐き、

「…ああ、そうだろうな」

観念した。

そして台所へ行き、銀色の灰皿を持ってきた。

「タバコ、良いか?」

「どうぞ」

親父も吸っていたから、気にならなかった。

ムメイは窓を少し開けて、再び腰を下ろした。

そしてタバコに火を付け、ゆっくりと吸って―。

「―お前が父親に売られたということは、本当だ」

とんでもない一言を言った。
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