ようこそ! 魔破街へ
「何故…ですか?」

オレの声は震えていた。

冷静な父親の姿が、頭に浮かんだ。

「…この街の異常さにはもう気付いているんだろう?
この街にいるヤツ等はな、みんな『犯罪遺伝子』を持つ連中なんだよ」

「『犯罪遺伝子』?」

「聞いたことないか? 表の世では大犯罪を起こしたヤツの遺伝子を、濃く受け継いだヤツは、同じように大犯罪を起こすって言われているんだ」

「それはっ、…あくまで仮説でしょう? 通説じゃありません」

「そうだな。だが…」

長くなった灰を灰皿に落とし、ムメイは言い辛そうに続けた。

「その『犯罪遺伝子』を持つ者を集めたのが、この魔破街。そしてその住人達の異常性は…お前が見た通りだ」

「っ!?」
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