ようこそ! 魔破街へ
「ウカツに欲が出ることはやらねーんだ。金の制度はここじゃない。欲しい物が好きなだけ手に入れられる」

「無法地帯ならではの制度ですね」

「まあな。だから気にせず、好きなのを買うと良い。インターネットを使えば、何でも手に入る」

…何だか嬉しいような、残念なような。

金のありがたみってのは、制限されるから味わえるものなんだな。

でもオレは普通じゃないから…良いのか。

「一通りの説明は以上だ。他に聞きたいことは?」

「いえ、今のところは。とりあえず、今日からよろしくお願いします」

そう言ってオレは頭を下げた。



―そしてオレは決めた。

この街で生きていくことを。


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