電光石火×一騎当千
まさに一瞬。

玉響(たまゆら)。



金に輝く双眸で、黒コートの男が巨大な太刀を一振りする。

遙か間合いの外。

──だが

山賊たちの身体はその大太刀で直接斬られたかの如く、

胴のところから真っ二つに寸断される。



同時に



押さえつけていた女の姿が消える。

山賊たちが手にしていた女の荷物から刀が消える。

ついでに女の首筋を舐め回していた山賊の舌も消え、

続いて胴と首が離れて、
悲鳴を上げる間もなく命の灯火が消える。



言葉通りに、
きっかり
一秒。



再び女の姿が現れ、手にした鮮血の滴る小太刀を一振りした時には──



十九の灯火が、既にかき消されてしまっていた。
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