素直にカエル2 ~先生と夏休み~


「はあ…」


保健室に入るなり、大きなため息を漏らした前田くん


「え?ちょっ…どうかしたの?」

「オレ本物のバカかもしれない…」


そう言ってヘナヘナとしゃがみこんでしまった


なぜか保健室には誰もいなくて、私達2人きり

養護教諭の先生もいなかった



「はあ…最悪だ」


前田くんはさっきからぶつぶつと何か唱えている


なんか不思議な光景…


「…何ニヤケてんの?」

「へ…?あ…ごめん。なんかおかしくて」


だってこんな弱々しい前田くんなんて見たことない

まあ、最近までいなかったのだから当たり前なんだけど…


私が知ってるカッコイイ前田くんとはギャップがありすぎてなんだか笑えてきた


「へへ…ごめん…」

ニヤケながら謝る私を見上げ、また大きなため息をひとつ漏らす前田くん…


「そんなんだから…いけないんだ」






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