粉雪-3年後のクリスマス-
道端でぐしゃぐしゃと髪をかき乱し、俺はしゃがみこむ。
「だーっ!!もう、知らん!俺には関係ない!」
そうだ、全く見ず知らずの子に頭を悩ませている暇はない。
俺には、今年のクリスマスを一緒に過ごしてくれる人を探すという任務ができてしまったのだから。
余計な考えを振り払うために思い切り顔を振り、気合を入れて立ち上がる。
きっとまた、クリスマスには新たな出会いがあるはずさ。
クリスマス……
彼女も、誰かと約束をしたクリスマス・イブ───か。
もうすぐ訪れる聖夜を、笑顔で迎えることになっていただろうに。
たった一つ間違えた電話によって、彼女は一人寂しく寒い夜を過ごすことになってしまうが。
……なんだか、後味悪いな。
ブルル、ともう一度身震いをして、ポケットにしまった携帯電話を取り出した。
『───大観覧車の下で』
はにかむような、彼女の声。
同時に俺は、カノジョと初めて過ごしたクリスマスを思い出していた。
「ユキ、乗ろうよ!」
目をバッチリ黒く囲んで、気合十分なカノジョは強引に俺の腕を引っ張った。
内心、高所恐怖症なことを告げようかどうか悩んでいて。
「彼氏と一緒に乗るの、夢だったんだよね」
そんな風に言われたら、断れるはずもなかった。
「だーっ!!もう、知らん!俺には関係ない!」
そうだ、全く見ず知らずの子に頭を悩ませている暇はない。
俺には、今年のクリスマスを一緒に過ごしてくれる人を探すという任務ができてしまったのだから。
余計な考えを振り払うために思い切り顔を振り、気合を入れて立ち上がる。
きっとまた、クリスマスには新たな出会いがあるはずさ。
クリスマス……
彼女も、誰かと約束をしたクリスマス・イブ───か。
もうすぐ訪れる聖夜を、笑顔で迎えることになっていただろうに。
たった一つ間違えた電話によって、彼女は一人寂しく寒い夜を過ごすことになってしまうが。
……なんだか、後味悪いな。
ブルル、ともう一度身震いをして、ポケットにしまった携帯電話を取り出した。
『───大観覧車の下で』
はにかむような、彼女の声。
同時に俺は、カノジョと初めて過ごしたクリスマスを思い出していた。
「ユキ、乗ろうよ!」
目をバッチリ黒く囲んで、気合十分なカノジョは強引に俺の腕を引っ張った。
内心、高所恐怖症なことを告げようかどうか悩んでいて。
「彼氏と一緒に乗るの、夢だったんだよね」
そんな風に言われたら、断れるはずもなかった。