この想いを君に… −あの場所へ−
子供達を寝かしつけてからリビングに集まったのは母ちゃんと梓と俺。

「そーちゃんが倒れたんだって?」

俺は頷いた。

「明日からは車椅子を用意しておくよ」

「…そんなに悪いの?」

梓は心配そうに俺を覗き込む。

「最近、進行が早い気がするね。
…これからは必ず誰か1人でいいからそーちゃんの傍にいないといけない」

俺はため息混じりに言った。

レースも…お店の事も。

色々抱えている俺が手伝えるのはごく僅かの話。

「私が手伝うにしても…難しいからね」

母ちゃんはちらっと梓を見ると梓は首を横に振って

「私、家の事は頑張りますからお義母さん、どうか…」

「無理だよ」

梓の言葉を俺が遮った。

「母ちゃんにそーちゃんは持ち上げられない」



3人でため息をついた。
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