オフィスラブ
モヤモヤする気持ちを落ち着かせていると、ケータイが鳴った。



“着信:ケンジ”



ビックリしたけど、平静を装って電話に出る。


『もしもし、深雪?』


別れた日から、何も連絡を取っていなかったから久しぶりに聞くケンジの声だった。


「ケンジ……

どうしたの?」


少し、せつなくなりそうだったから素っ気なく答えた。


『相変わらず、冷たいなぁ。


深雪の荷物まとめたから。


会って渡したい。』


「そう……捨ててくれてよかったのに。」


『そんな訳にもいかないから。


ほら、深雪の大好きだったDVDもあるし。』


「そうだよね。ケンジも捨てにくいよね…


ありがとう。取りに行くね。」

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