第2夜



昨夜はよく眠れた気がする。


寝る前にハルキはやっぱり頭を優しく優しくなでて、


やっぱり最後にうなじをそっと握る。


記憶を失う前の私は、


そのしぐさが好きだったのかな。


だって今もとっても心地いいから。




昨日見た写真の男の人は、


やっぱりハルキだと思った。


じゃあ隣の女の人は誰かなぁ。


謎は深まる。


ハルキは今日も指をしゅっしゅする仕事らしい。


私にもあんな風にハルキが笑ってくれることはあるのかな。


そしたら私は、


きっと心のキャパがいっぱいになるに違いない。


そうしてきっと涙を流すに違いない。
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