ガンバレ ヒカル!!

その場で足を止めて、アタシに問いかけた。



「ん?真山?」


「あの…」


「なんだ?」



はっ!?っと気付いたアタシはすぐに手を離した。



無意識のうちに廉さんの服を掴んでいたのだ。



「あ、ごめんなさい。何でもないです」


「変な奴だな〜」



そう言ってまた前を歩きだしたけれど、すぐ立ち止まって、



「ほら」



手を差し出してくれた。



「今日だけだぞ。もう誰もいねぇし」



アタシはそっと手を重ねた。



少しずつ海に沈んでく夕日がアタシたちを見つめていた。




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