運命の歯車-不思議の国のアイツ-
「・・・・・山下くん、金髪似合いそうだね。」
思わず、コウに見とれながらつぶやくマイ。
「んっ?何だよ、急に?」
コウは、いきなりの話題に驚いたような様子でマイを見た。
「えっ、あっ、今ね、山下くんの髪の毛が夕日に反射して、金髪に見えたから。」
マイは、少し焦りながら、コウに説明した。
「そうなんだ・・・・金髪か・・・・ジンさんみたいなヤツ?」
「うん。」
マイは、公園で会ったジンの姿を思い出しながら言った。
しかし、それは、同時にその後に起こったことも、マイに思い出させた。
そして、何故、マイが、わざわざ、コウの姿を探して、コウの教室にまで来たのかも。
「フゥ・・・・」
意識しない状態で、思わず、小さくため息をつくマイ。
「どうしたんだ、海堂?ため息なんてついて?」
コウが、下を向いたマイの顔を覗き込む様に見た。
「えっ、私、ため息ついてた?」
マイは、自分がため息をついていたことさえ気づいていなかった。