swallotail-アゲハ-【完】
「お邪魔して悪いけど・・・聖香の鞄ね。コレ!!じゃ、そういう事でまた明日~~!!」
「吹雪。ありがと!!メールするから!」
私は手を振り、すぐにその場から離れた。
学校から少し離れた所で私は握り締めていた携帯から春人のリダイヤルを探した。
「早!!何してたの?」
1コールで出た春人。
『今、お前に掛けようとしたら着信来た(笑)』
凄く胸が熱くなった。
「春人・・・会いたい」
『うん。俺も。今から迎えに行くよ!公園で待ってる』
電話を切った後。私は携帯を両手で握り締め胸に当てた。
【逢いたい。逢いたい。春人に逢いたい】
この日。私は初めて私服でスカートを履いて春人に会った。
いつもと違う私。
いつもより女のコな私・・・。
「ごめん。遅くなった・・・」
私の声に気付いて振り向く春人。
「おいで」
優しく微笑みながら両手を出して私を呼ぶ。
いつもなら、「バカぢゃん!」って言って拒む私。
この日は素直に春人の胸に飛び込む。
「春人。大好き」
素直にこんな言葉も出てくる私・・・。
「今日は素直だね?」
「素直じゃない方がいいの?」
「イヤ。素直で嬉しいよ」