swallotail-アゲハ-【完】
「吹雪。もう。我慢すんな!!酷い目に合ったんだろ!!全部真奈美が裏で動いてたんだよ!!」
酷い目??
裏で動いてた??
「意味分かんねーよ!!」
何が何でも隠し通したかった。
すべてを知られたくなかった・・・
「吹雪・・・ゴホゴホッ」
「先輩はしゃべんじゃねーよ!!」
「吹雪。最後はテメーで真奈美を潰せ!!」
「夏姉!!ふざけんなよ。できっか!!」
「吹雪・・・」
真奈美先輩は痛々しい体を引きずって私の肩に手を置いた。
「マジで悪かった。ヤクザ使って、お前をマワさせたのはうちだ・・・気が済むまでうちを殴れ。憎かったら殺しても構わない」
肩が震えた。
脚が震えた。
真奈美先輩が??
どうして??
「どうして・・・」
震えて声が出てるか分からなかった・・・
「お前に、嫉妬してたんだよ。2代目だってうちが貰えるって思ってたし、お前は私が手に入らないものを簡単に手に入れたから・・・」
簡単に?
簡単?
私は崩れた。
怒り、憎しみ。
そんなんじゃない。
信頼してた先輩の裏切り。
悲しかった。
思ってる事ハッキリ言って、ぶつかって欲しかった。