聖夜の約束
ひとり
 
 冷たい風が吹き抜けていく季節。

 今にも雪が落ちてきそうな空模様。

 あたしは、ふと立ち止まって空を見上げる。

 枯れ葉を飛ばして揺れる木々。

 寒々しい音を立てて吹き抜けていくビル風。


「寒……っ」


 思わず声を漏らして、マフラーを口元まで上げる。

 夕方の街並みは、キレイなイルミネーションがあちこちで輝いていて。

 街を歩く人々の顔にも、いつになく晴れやかさがあふれている。
 
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