明日は
 墨丘がすぐに反論すれば、事実無根と言えるが、黙っているので、真猿たちが言っていることが事実と受け入れられるのだ。

 女子たちは墨丘に確認すらしない。今までの言動や行動から察しているのだ。

 だまされた。と、誰もが思ったのだろう。急に女子たちも冷たい視線に変わった。

「オカマかよ。チョーキモイんですけど。もう学校にくんなよ! 死ね!」

 女子たちは非難していた。

 真猿も克物もニンマリである。女子たちの人気者が失墜したからである。

 墨丘は顔を両手で覆っている。泣いているのだろう。

 教室内は墨丘に向けて、罵詈雑言が飛び交っていた。

「ちょっと!」

 子吉沢が言った。

 一瞬にして、静かになった。予想していなかった子吉沢は驚いて、言葉が出てこなくなった。

「何だよ!」

 真猿である。真顔だったので、子吉沢には挑発を受けた感じがした。
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