明日は
SCENE 12
 地獄は始まった。

 ニュースで被害者の男性が死亡と発表されると、子吉沢の家の電話が鳴り始めた。

 受話器を取ると、罵声しか聞こえてこないので、電話の線は外した。

 朝には墨丘が迎えにきたので、一緒に登校した。途中で、罵声を受けるが、墨丘がずっと話をしていてくれた。

 子吉沢は黙って聞いているだけだった。

 教室に入ると、黒板には『人殺し』『死刑』『ホモ』と大きく書かれていた。

 墨丘はすぐに黒板消しを使った。

「誰よ! こんなヒドイことするのは!」

 墨丘は教室にいる全員に問いただすが、誰も反応しなかった。

 無視である。

「卑怯者! 一人では何も出来ないの? そんな人が言う資格ないわ」

「黙れ!」

 真猿だった。

「あなたね」

「そうだ。悪いか」
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