桜の雨~誓い 次世代編~
「気分はもういいんだ。
幸い、大事に
至らなくて済んだし。
大体、千依は大袈裟なんだよ。
めまいがしただけ
だって言ったのに。」

「そっか、良かった。」

依夏はホッとしたように言った。

離れている分、
父親を心配に思う気持ちは
さくら以上だ。

自分だってさくら以上に
父親の事が好きである。

だから昔は良く
姉妹で父親を取り合ったものだ。

そういう時、
父親はいつも2人を
抱き締めて言っていた。

「僕にとっては、
2人とも大事な宝物だよ。
だから、取り合ったりしないで
姉妹仲良くしなさい。」と。

依夏は思い出したのか、
少しだけ笑った。
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