背中あわせのふたりは

Takuya



大学に入ってから、貪るように女を抱くようになった卓也を、高校からの友人は顔をしかめて見るだけだった。


何か言いたげな友人を、卓也は鋭い瞳で牽制して、寄ってくる女に腕を絡めさせた。


誰でもよかったのだ。


彼女を重ねられる相手なら、誰でも。


女を抱くたびに込み上げてくる吐き気を、目を瞑ることで堪えていた。


そんな自身に嫌気がさしていたが、それでもそんな自分を止める方法が卓也には分からなかった。


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