背中あわせのふたりは


今の会社に勤めはじめて、ちょうと六度目の冬。


この関係が始まって、もう、五度目の冬が来る。


周囲の友人や同僚は、すでに結婚も出産も終えている人がほとんどだった。


残っている、という意識は綾香の中にはないが、両親が焦っているのが伝わる。




──別に、結婚も出産もしなくてもいいのに。




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