海が呼ぶから
07.抱きしめられて

どうしたらいいの?

ウチは、ボンヤリと床に転がるガルシアを見た。

(…や、やってしまった)

悪い癖だ。

ブチ切れると、どうして良いか解らずに、暴力的になってしまう。(今の所負け無し)

しゃがみ込み、ガルシアを揺らす。

(打ち所が悪く無きゃ良いんだけど…)

「ガルシアさん、ガルシアさん」

ガバッと、前触れなくガルシアが起き上がった。

「海賊団結成以来無敗の、“東風の旅団”キャプテンの俺を倒すとは…あんた、なかなかやるな」

(結構イイトコロに決まったような気がしたけど…復活早っ)

起こそうとしておいて何だけど、実は起き上がると思って無かったウチは、かなりビックリした。

「でっ。俺の恋人の名前、聞いてもいいかな?」

ガルシアを起こそうと、しゃがみ込んでいたのが災いして、逃げ遅れた。

ウチの肩に、ガルシアの逞しい腕が回っていた。

ぐっと、ガルシアに肩を引き寄せられる。

(わ、ま・また…)

覗き込む、海色の瞳から、目が離せなくなる。

海にチラつく、甘さと熱。

(クラクラ、する)

勘弁してほしい。

「海(カイ)で…す…」

名前を呟くのが精一杯。

ウチはそのまま意識を失ってしまった。
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