ストロベリーらぶ
――キーンコーン
カーンコ―「よっしゃ!ギリギリセーフ」
たてつけの悪い教室のドアを開けて滑り込みセーフ、のつもりだった。
しかし後ろから担任に肩を叩かれたι
「残念だ、橋村
これはHRのチャイムではない。
授業開始のチャイムだ。
ってことでお前は正真正銘、遅刻だ!」
え――――――Σ
あたしの努力は???
あたしの家から学校までは歩いたら約30分。
その道のりを必死で走った。
走ったら10分で着くはず…………
「あ―――――――
あそこで、あいつとぶつかったからだ!」
なんて叫んでしまったら、隣の玲也に睨まれた。
なんであたしは遅刻して、一緒に家を出た玲也は間に合うのか、って?
答えは簡単。
玲也の家はもう、超がつくほどお金持ち。
だから車で登校。
これがあたしが玲也と登校しない理由。
だってそうでしょ!
朝、遅刻ギリギリの時間といえば、ただでさえ生徒は多いのに………
あたしが玲也の車から降りたりしたら間違いなく一限目までには噂は学校中に広まる。
まぁ本当の理由は一緒にいたら彼女がいる玲也への恋心をいつまでも
――――消せないから。