キミの手 キミの体温
白奈への愛情の伝え方に躓いてる紅音さん。
その母親の愛情を意地を張って疑う白奈。
……見てるだけでもどかしくて仕方ない。
お互いにお互いを必要としてる癖に。
白奈は俺と自分を重ねて、俺なら気持ちをわかってくれると思ってたみたいだけど。
そんなのは俺に取って嫌味でしかない。
だって俺には白奈みたいに無条件で愛してくれてる人間なんか居ない。
だから。
知らず知らずに嫉妬と羨望が胸に溢れていた。
大事なモノを持ってる癖に軽視してることが許せなくて……突き放した。
やっぱりこんな俺は、産まれてくるべきじゃなかったんじゃないか。