キミの手 キミの体温
俯いていた白奈が顔を上げた瞬間。
「やっぱりねっ。そうじゃないかなぁって思ってた!」
「……はぁっ?」
しおらしかった態度はまるで手のひらを返したかのように一変していた。
とつとつとした口調はいつもの強気なものに変わり、
「周ちゃん優しいから。同情してるんだってわかってたよ」
ケロッとした笑顔を浮かべてベッドの縁から見上げてる俺に笑いかけた。
……やっぱりコイツはコイツだ。
三日前の朝に掛けてきたモーニングコールと同じで質が悪い。
いくら俺でも何回も同じ手には乗ってやらねぇよ。