キミの手 キミの体温
真ん前に突っ立てた白奈の右手をギュッと握り締める。
そのまま引き寄せて重心の崩れた白奈の体を自分の膝の上に促した。
急激に縮まった距離に白奈は目を見開いてビックリした顔で俺を見つめている。
「いいと思ったんだよ。それで」
「……周ちゃん?」
「飽きるまで付き合えば、またおまえが傷付くの見なくていいと思ったから」
自分でも同情だって錯覚してた。
でも。
俺の中で日に日に白奈が頭の中を占める割合が増えてて……。
決定打はあのモーニングコールだ。
気が付けば白奈を探しに飛び出してた自分に漸く自覚した。
強がって本音を隠すコイツが放っとけないって……。