淡い満月
 
 
母から聞いた話だと、隣にある大きな機械は透析のためのものらしい。

5時間動いていたとか。



「採血して、結果次第では1回で済むからね。」


主治医の先生は優しく言った。






その晩…


結局、昼食も夕食も口に出来ないまま夜を迎えた。

検査の結果はあまりよくなくて、私の隣では再び大きな機械が回っている。




昨日と同じ夜。

違っているのは、状況を把握しているということ。




それでも自分の体のことで頭はいっぱいなので、余計なことを考えずに済むのは唯一の救いだった。



せめて寝返りでも打てたら…。

人間、首を痛めると何も出来ないんだなぁ。







これからどうなるのかも分からず、私はただただ眠るしかなかった。
 
 
 
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