動く世界

あれから毎日が楽しい
何をしても怒られない
何をしても許される


全て自由だからだ
自由主義になったのだ

真理奈は急に毎日が楽しくなった
ストレス解消に人を殴っても許される

もう恐いものなしだ

「あぁ。たまんない」
真理奈のテンションはあがっていた

でも、一つ不満が
学校に友達が来ないことだ
自由になったせいで
来ないのだ
先生も

来るのは一部の生徒と先生のみ

まぁそれはそれで楽しいのだが


「沢木さんは毎日来るね」

同じクラスの長川さんが言ってきた

「…うん」

はっきり言って長川さんのコトをあまり好きではない

でも今来てるのは
長川さんと真理奈だけ
仕方なく話をした

「何で長川さんは毎日来てるの?」

少し顔を赤くして長川さんは答えた
「夢があるの」

「夢?」

「将来、医者になるの。医者になってたくさんの人を助けたい」

「すばらしい夢ね」
真理奈はそう言って
トイレに行こうとした
がそれを長川さんがとめた

「私…あなたも助けたい」

「へっ?」
真理奈は目を丸くした
意味が分からないからだ。この人は何を言ってるんだ。

真理奈が困惑した顔をした
そんな真理奈を察してか
長川さんが

「沢木さん。私のコト嫌いでしょ?」

「そ…そんなコト…」

ないよ
と言おうとしたとき
長川さんの表情が変わった
まるで悪魔のような笑顔に

「気を遣わなくていいわ。
私、もうじきこの世からいなくなるから」

「どういう意味?」

長川さんは相変わらずの表情で
「これを見て」

そう言い制服の上着を脱いだ

そのお腹の位置に
たくさんの爆弾がついていた

「沢木さん…早く逃げなきゃあなたも死ぬわよ?」

クスクス

不気味な笑い声で
今まで見たことない表情で
長川さんはいった

「バカな考えは捨ててよ!!自殺して何がいいの?」

そんなコトを言っても
もう手遅れだった
タイマーが10秒を切ったのだ

「…ほら、早く逃げないと」

そう言われなくても
逃げるに決まってる

足に自信があったので
被害が自分に被らないことは確信していた

だから逃げた
一生懸命
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