とんでも腐敵☆パートナー
「……息してます?」
 
「あ、うん」
 
「動けます?」
 
「そ、それはもちろん」
   
「二人の後を追いますけど」
   
「そうだね、いこっか」
   
「ちょっと怒ってます?」
   
「えっ! べ、別に怒ってなんかっ」
   
「もうしないんで安心してください」
   
「え………………」
   
 あたしは立ち上がって、服に付いた葉っぱやらを手で払った。
   
 次に見つかりそうになったら、このスタンガンで高地さんを気絶させた隙に逃げることにしよう。
   
 そんなプチ物騒な計画を立ててると、隣で拝島さんも立ち上がって葉っぱを払い始めた。
   
 長めの髪を手で梳いて整える拝島さん。
 
 それから眼鏡と帽子を装着。ああまた可愛い顔が隠れてしまった……残念。
 
「栗子ちゃん」
 
「はい?」
 
 名前を呼ばれて返事をすると。
 
「行こうか」
 
 くるりと背を向けて前を歩き出す拝島さん。つられて歩き出したあたしの手を、ぎゅっと握られた。
 
「?」
 
「早足で行くよ」
 
 そう言って拝島さんは、あたしの手を引っ張りながら、ずんずん歩き出す。
 
 なんだか手を握られると落ち着かないけど、まぁいっか。
 
 包みこんでくる手の熱さに、少し戸惑いながら思った。
 
 
 
 
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