とんでも腐敵☆パートナー
Act6. とんでも腐敵な家庭の事情!

6-1. 料理は見た目よりスピード命

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 さて、まずは何から手をつけるか――
 
 キッチン台に整然と並べられた食材を前に、俺は最上の解を導くべく、構想を練っていた。
 
 ピーマン、にんじん、じゃがいも、牛肉、ワイン……瑞々しい新鮮さを放つ厳選された食材。これらをとある数式に当てはめ、最上の解へと導いていく――その過程を考えるのがまた楽しい。
 
 解とはこの場合、もちろん料理の仕上がりのことである。
 
 最高級の味を生み出すためには野菜を切る順番、炒める順番、実に理路整然とした、計算し尽された手順が必要なのだ。その他にも切る大きさ、下ごしらえ、考慮すべきことは多々あり、改めて料理の奥深さに感じ入る。
 
 なにもそこまで――と自分でも思わなくもないが。
 
 別に、毎日ここまで料理に浸っているわけではない。
 
 ここのところ、課題に次ぐ課題、解析すべき実験データの山で忙しい日が続き、まともに料理する時間と余裕がなかったのだ。外食で済ます日すら少なくない。
 
 単調な味、栄養バランスの偏った食事。いい加減健康を害しそうになってたところでようやく課題がひと段落つき、時間に余裕のある日ができた。つまり今日だ。
 
 そういう訳で、久々にゆっくり料理ができる喜びを噛みしめている最中だったのだが。
 
 
 ピンポーン
 
 
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