とんでも腐敵☆パートナー
「なんだ? 何か俺の顔についてるか?」
 
 拝島に見つめられると少し照れる。
 
「んー。朽木、ここんところ塞いでたからさ。でも今日は少し顔色良くなったみたいだね」
 
「塞いでた? そんな顔してたのか?」
 
「うん、なんだかね。朽木ってそういうの、あんまり顔に出さないから分かりにくいんだけどさ。……何かあった?」
 
「………………」
 
「言いにくいことだったらいいんだよ。事情は人それぞれだし。俺、朽木が話してくれるの、いつまでも待つからさ。でも、心配するくらいはさせてもらってもいいだろ?」
 
「拝島……」
 
 優しく見つめてくる瞳。
 
 こいつほど山の空気に近い男はいないと思う。全てを包み込み、浄化してくれそうな清らかさと温かさ。
 
「……昨日、両親に会いに、実家に戻ったんだ」
 
 カップから薄っすらと昇る蒸気に目を落としながら呟いた。
 
「………………」
 
「以前言った、義理の父と母に会って……それから、実父に会った」
 
 拝島には、朽木の父と俺の間に血の繋がりがないことは言ってあった。実父が神薙グループの会長であることはまだ言ってないが、俺が小さい頃、母が俺を連れて神薙の元を去り、父と結婚したのは知っている。
 
 再婚ではない。
 
 母は――――神薙の、愛人だった。
 
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