とんでも腐敵☆パートナー
<<<< 栗子side >>>>
 
「いっらしゃいませ~」
 
 スマイル0円。スマイル0円。
 
 カウンターに近付いてくる女子高生二人組に、あたしはにっこり笑顔で声をかけた。
 
「ねぇねぇ、何にする?」
「やっぱポテトとコーラかな。あ、新発売のシェイクもあるよ!」
「え~~ちょい高いよコレ。割引券ないの~?」
「あ、ポテトとドリンクの券はあるかも~。ちょっと待ってて」
 
 がさごそがさごそ
 
「あーごめん、やっぱ忘れた!」
「えぇ~~マジィ? しょうがないなぁ~じゃあドリンクだけでいいや」
「ワリカンでポテトひとつ食べようよ~」
 
 イライライライラ
 
「あっ! やっば! 今月お小遣いピンチだった! 見てぇ~財布の中、15円しかないよ~」
「ちょっ。マジそれ? どんだけぇ~~。もぉ~んじゃテキトーにブラついて帰る?」
「ワリィワリィ。そうすっかぁー」
 
「あんっじゃそりゃぁぁぁぁっっ!!」
 
 思わずメニュー表をちゃぶ台返しばりにぶちまけてしまった。
 
「ひゃっ! なにこの店員!?」
「こわっ! いこいこっ!」
 
 あたしのギロ目を怖れてそそくさと店を出て行く二人組。
 
「塩っ! 誰か塩をっ! 思いっきり撒いておきますよっ!」
 
 背後の調理場を振り返りつつ言うと。
 
「お前が撒かれたいか――――っ!!」
 
 ばこんっ
 
 アウチッ。トレイで思いっきり頭をはたかれた。
 
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