とんでも腐敵☆パートナー
「今度大学に遊びに行ってもいいですかぁ~?」
 
「来るな!」
 
 朽木さん、即答だ。
 
「いいじゃないか朽木。いつでも遊びにおいでよ。構内を案内してあげるから」
 
「わぁ~い! 拝島さん、やっさしぃ~~! ありがとうございます!」
 
 
 くふふふふふ。
 
 これで入手すべき情報は全て揃った。
 
 まるでストーカーのようなノリで脳内メモに情報を書き込むあたし。
 
 にこにこ顔のあたしとは対照的に、不機嫌な顔で押し黙る朽木さん。
 
 水面下で密かに行われていたガンつけ合戦は、あたしの圧勝に終わったのだ。
 
「残念、もうドライブはお終いだ。店に着いたよ」
 
 拝島さんが少し寂しそうに言ってハンドルを切った。店のガレージに乗り入れる。
 
「どうだ拝島? これに決めるか?」
 
「う~ん……半分以上これに決める気持ちなんだけど……他の店も見てみたいかな」
 
 なんて会話をしながら、全員車を降りる。
 
 店員さんの方に足を向け、朽木さんと拝島さんは車に乗った感想をお互いに交わすのに夢中だった。
 
 置いてけぼりにされたあたしは、車のボンネットに寄りかかって待つことにしたのだけど。
 
 …………あれ?
 
 なんか、お尻がぐいぐい押されてる。
 
 まさかこんなところに痴漢がっ!?
 
 なワケがなく。
 
 あれ? もしかして、この車、動い……てる…………?
 
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