とんでも腐敵☆パートナー
 ん? さっきから何を言ってるんだって?
 
 分からない人は分からないままに。
 分かる人はこんにちは同志!
 
 あたしは桑名栗子(くわなくりこ)。19歳。
 何をしてるのかというと、まぁ簡単に言うとイケメンウオッチング。
 
 駅に出入りする人の中から、カッコイイ男性を見つけて目の保養にするのだ。
 
 それだけ? 随分暇だなぁ。と思われるかもしれないが、もちろんはそれだけでは終わらない。
 
 色々と妄想して楽しむわけだこれが。
 
 
 あぁ、妄想ね、なるほど~、と頷くのはちょっと早い。あたしの妄想はひと味違う。
 
 どう違うのかというと長くもない話になるのだが。
 
 普通、カッコイイ男の人を見ると、自分がその人に甘い言葉を囁かれたり、優しく抱きしめられたりするのを想像することだろう。
 
 だけどあたしはそんなシーンには興味ない。
 
 何故ならあたしにとって男とは、あくまで鑑賞物でしかないからだ。
 
 だから自分とどうこうしたいとは思わない。妄想の対象はキレイ同士。そのためにイケメンをこうして「攻め」と「受け」に分類してるのだ。
  
 
 
 
 え? だから「攻め」と「受け」ってなんだって?
 
 えっと……そういう方は、今すぐこのページを閉じて、二度とこのお話を読もうと思わない方がいい。
 
 今聞いた言葉は忘れてください。
 ピュアなままでいてください。
 
 それでも読み進めようと思う貴方は――
 
 しっかり覚悟を決めること。
 
 なんだか新しい世界をが開けちゃったりしても、当方は一切責任を負いません。
 
 嵌って抜け出せなくならないよう、十分ご注意ください。
 
 
 ――って、なんか妙に語っちゃってるけど、賢迷な皆さんはとっくにお気づきだろう。
 
 もっだいぶっちゃってスミマセン。
 
 そう。
 
 
 あたしの妄想する甘い世界とは、男×男の世界なのだ。
 
 
 
 
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