とんでも腐敵☆パートナー
「どれどれあたしにも見せて。へぇ~確かにかっこいいじゃん」
 
 星の数ほどの男と付き合ってきた真昼の審美眼は確かだ。
 
 あたしは子供を自慢する母親の如く舞い上がった。
 
「でしょっ、でしょっ! あぁ~早くカップル成立しないかなぁ~」
 
「アンタのその気持ちは分からない」
 
 祥子の呆れ目がますます細められた。
 
「普通、こんだけかっこいい男が身近にいれば自分が付き合いたいって思うよね。いい加減ノーマルに戻らないのグリコ」
 
 写真をあたしに返しながら言う真昼。
 
「腐道は一度堕ちたら二度と戻れないのよ……」
 
 ふっと自嘲気味に哂うあたしを祥子は「バッカじゃないの」と斬り捨てる。ああ、その冷たいところが萌え~なんだけど、女なのが残念。妄想のネタにはならない。
 
「それにしてもコレ、全然隠し撮りになってないじゃない。朽木さんだっけ? こっちの黒髪。思いっきりアンタを睨んでるよ」
 
「うん、何故だかいつも感づかれちゃうんだよね」
 
 祥子の指摘通りだった。
 
 何故だか、いつも隠れてる場所がばれて追い返されるんだよね。
 
 朽木さんって千里眼?
 
「隠れるのヘタなのよグリコは」
「邪念が溢れ出てんじゃないの」
 
 我が親友は二人とも言うことがキツイ。
 あたしはぶーっと膨れてまだ手付かずだったサンドイッチに噛り付いた。
 
 と。
 
「ん? この写真はアンタが一緒に写ってるじゃない」
 
 そう言って祥子が目を止めた写真は、一週間前、朽木さんちで撮ったやつだった。
 
 あの時は確かあたしが鼻血出して朽木さんが介抱してくれて。
 
 その後「お願い! 記念に一枚!」「なんの記念だ!」「出血大サービス記念!」なんてやり取りして。結局朽木さんが折れて一緒に写ってくれたんだっけ。
 
 意外と優しくて結構驚いた。
 女は嫌いだけどフェミニストってタイプかもしれない。
 
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