とんでも腐敵☆パートナー

4-2. ヘタな鉄砲は数撃ってもやっぱり当たらない

<<<< 栗子side >>>>
 
「信じらんない。ホントに鼻血噴くなんて。恥ずかしいからアンタ近寄んないでくれる?」
 
「うぅ~~~そんな蔑まないでよ祥子~~」
 
「あたしはあんだけ出血したのにグリコがケロっとしてるのが信じらんない。どんだけ血の気多いのよ」
 
「2Lくらいまでなら平気! でも今日最高記録を更新したからも少し出してもおっけーなことが分かった!」
 
「ヤな自慢話ね……」
 
 盛大な鼻血祭りの後、なんとか出血の止まったあたしは祥子と真昼を連れて海に入った。
 
 高地さんが膨らませてくれた空気マットを海水に浮かべ、三人でマット上に顔を寄せ合い、ぷかぷか漂いながら密談をしてるところだ。
 
 といってものっけから反省会モードで、あたしが責められる一方なのだけど。
 
 いやぁ~~それにしてもさっきの出血は我ながらすごい量だった。
 
 朽木さんの半裸もズキュンとくる色っぽさだったんだけど、拝島さんの眩しい肢体ときたら……。
 
 ダメだ。思い出すだけでまた鼻の奥がツーンとしてくる。
 
「なに? まだ出し足りないのアンタ?」
 
 うはっ。祥子鋭い!
 
 咄嗟に顔を水に浸けてぶるぶるぶるっと振る。
 
「確かに滅多にいないくらいキレイどころな二人だけど、グリコの反応は異常すぎ。どんだけ妄想してるのよ」
 
「いやもうベッドの中まで妄想しちゃいました」
 
「……言わなくていいから」
 
 ああん、そんな嫌そうな顔もキレイなんだから、真昼ったら♪
 
 朽木さん、拝島さんはもちろんだけど、祥子と真昼の水着姿も生唾ゴックンのセクシーさなんだよね。
 
 一緒にいると始終男の視線を感じるし。
 
 ちなみに朽木さん、拝島さんの二人は女の視線を浴びっぱなし。こんな煌めかしい四人と歩くと目立っちゃって仕方ない。
 
「腐女子が移るとイヤだから、やっぱ離れてようかな……」
 
 半眼であたしをジト見しながらすーっと距離を置く真昼。
 
「ああっ、そんなっ! えと、あ、そ、そうだ、ところで真昼、高地さんはどう?」
 
 かなり無理矢理な話題転換だけど。
 女三人寄れば、やっぱコイバナ咲かすっきゃないでしょう! ってことで。
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