赤と黄色と緑と【季節短編】
しかし案の定、その小さい女の子は寒そうに肩を震わせている。
俺は寝ていた重い布団から体を起こすと、ベッドの下に置いてあったスリッパを履いた。
かぶっていた布団はたたまなかった。少し出てくるだけのつもりだからだ。
スリッパは下にずっと置いてあったせいか冷たく、素足は凍りつくくらい寒い。
一瞬身震いすると、俺はベッドの隣においてある腕と繋がった点滴を手にし、一つのベッドしかない病室をあとにした。